ぶしゅかん (仏手柑)

学名  Citrus medica var. sarcodactylis
日本名  ブシュカン
科名(日本名)  ミカン科
  日本語別名  ブッシュカン
漢名  佛手柑(ブッシュカン,fóshŏugān)
科名(漢名)  芸香(ウンコウ,yúnxiāng)科
  漢語別名  佛手、佛手香櫞(ブッシュコウエン,fóshŏu xiāngyuán)、五指柑、蜜羅柑、香圓
英名  Fingered citron, Buddha's hand citron
2007/05/10 薬用植物園 (温室) 2007/06/07 同左
『中国本草図録』Ⅶ/3191参照。

 Citrus medica は、和名はマルブシュカン・シトロン、漢名は香櫞(コウエン,xiāngyuán)・枸櫞(クエン,jŭyuán)、英名は Citron、仏名は Cedrat。インド北東部・ヒマラヤ南麓原産、ミカン属の自生種の一。古く『旧約聖書』にその名が見え、ペルシアでも既に紀元前に栽培されていた。今日では世界の熱帯地方で栽培、東アジアでは臺灣・福建・兩廣・雲南などで栽培。『中国本草図録』Ⅲ/1236・『週刊朝日百科 植物の世界』3-201

 これに、次のような変種・品種がある。

  ブシュカン 'Sacrodactylis'(C.medica var.sarcodactylis;
         佛手・佛手柑;E.Fingered citron)
  セイバンレモン subf. dulcis(C.medica var.gaoganensis;山檸檬)
臺灣産
  var. yunnanensis(雲南香櫞)
 雲南産 
   
 ミカン属 Citrus(柑橘 gānjú 屬)については、ミカン属を見よ。
 和名は漢名の音。
 「果實ハ冬ニ至リテ黃熟シ、形チ長シ、基部圓形ヲ呈シ上部ハ分裂シテ宛モ十餘指ヲ駢ベタルガ如キ畸形ヲ呈ス、故ニ佛手柑ノ名ヲ得タリ。しとろんナルまるぶしゅかん卽チ枸櫞ノ一變種ニシテ佳香ヲ放チ觀賞ノ品トス」(『牧野日本植物図鑑』)。 
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)枸櫞に、「和名加布知」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)枳殻の条に、枸櫞は「和名加布智」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)26枸櫞に、「マルブシュカン」と。
 漢名・英名ともに、果実が人の手指の形に似ることから。種小名 sarcodactylis は「肉質で指状」の意。
 ブシュカンは、インド原産、インドシナ・ジャワには古く入る。
 今日の中国では、浙江・安徽・福建・兩廣・四川・雲南などで栽培。
 日本には、中国を経由して江戸時代に入る。今日では、和歌山県などの暖地でわずかに栽培する。
 ヨーロッパでは、17c.中葉に記録がある。
 果実の形・芳香を観賞するために栽培。また、果実を砂糖煮にして 食用にする。
 中国では、マルブシュカン及び C.grandis var.shanyuan(C.wilsonii;香圓・西南香圓)の果実を香櫞(コウエン,xiangyuan)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.303-306
 ブシュカンの果実を佛手柑と呼び、その蒸留液を佛手露と呼び、花・蕾を佛手花(佛柑花・川手花)と呼び、根を佛手柑根と呼び、それぞれ薬用にする。
『中薬志Ⅱ』pp.132-133 

跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
セイヨウオダマキ タカサゴユリ マリアあざみ ヤグルマギク センダングサ 跡見群芳譜トップ 外来植物譜index